カウンセラーという仕事上、人の悩みを聞くことが仕事です。
『真実は小説よりも奇なり』
この仕事をしていると、この言葉を痛感します。
小説は一人の作家が書いているので、どんなに複雑に書こうと思っても限界がありますし、
何より、読者にある程度は理解してもらう必要があります。
たとえそれが推理小説や犯罪小説でもです。
そして残りのページが少なるなってくると、自然と終わりを意識してしまうのではないでしょうか。
だから、患者さんが話してくれる話は、色々な問題が複雑に分かりづらく絡まり合っていることがほとんどです。
有職者がうつ病になった時に、よく過労が問われますが、労働時間なのか、対人関係なのか、仕事内容なのか、シフトの問題なのか、人によって様々です。
もちろん複数の問題が絡まり合っていることが非常に多くあります。
最初の時点では、本人もどのようになれば、問題が解決したと言えるのか分からないことがほとんどで、漠然と「元気になりたい」とか「ネガティブに考えるのを減らしたい」などと言います。
私の働いている病院でのカウンセリングは主に認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy)を行っています。
一般にイメージされるカウンセリング(相談者がたくさん話をして、カウンセラーが主に聞いている)とは、少し違い、一緒に積極的に問題解決を考えていきます。
初めは、患者さんの考え方に焦点を当てることが多いんですが、仕事の問題では、ほとんど職場の他者との関係性が絡んできます。
関わりのある人たちとどう接していくか、どう自己表現していくかも考えていきます。
・・・ただ、これは答えは出ないんですよね。
相手を操作するのではなく、考え方や伝え方を工夫するだけでしかないので。
「心理学を使って相手を操作する」ということも言われていますが、CBTではやりません。
確かにできたら楽なんでしょうね。
ただ、どこまでできるのか??? 僕は専門外なので分かりません。
ちょっと大げさですが、対人関係においても、『人事を尽くして天命を待つ』しかないのかな。
心理学を勉強していても、人と人との関係って、恐ろしく複雑で、奥が深いです。
それぞれ一人ひとり、育ってきた環境が違うから、誰に対しても自分の当り前が通用しないですし。
一昔前に流行った『セロリ』の歌詞にもそんなことが歌われていたなぁ
でも、だからこそ、まずは自分自身を振り返って、自分なりに前に向かって進むことが必要なんだと思います。
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